落語によく大家さんというのが出てきますが、上方では「家守」と呼びます。
ところで「ヤモリ」と聞いたら、多くの人は爬虫類のことかと思われますが、「家守」とは、江戸時代に不在地主(貸家の持ち主)に代わって長屋内の諸事を差配した職業のことで、単なる建物などの管理だけでなく店賃(賃料)や地代を確実に取り立てるための店子(借家人)の選定や仕事の斡旋などの起業育成まで長屋全体の管理者として長屋の諸事に広く携わり、いわばエリア・マネジメントを行っていました。
優秀な家守の下には多くの店子が集まり、活気あるコミユニテイが形成されました。
この発想を現代に蘇らせ、空きビル、空き室、空き店舗などの活用を契機として地域全体の活性化や再生につなげようというのが現代版の家守事業です。